フォステクスの、代表的な10センチ・フルレンジユニットのスペックを表にしてみました。
ユニット名 | f0 | m0 | Q0 | 音圧レベル | マグネット重量 |
FF105WK | 75Hz | 3.4g | 0.41 | 88dB | 340g |
FE108EΣ | 77Hz | 2.7g | 0.3 | 90dB | 400g |
FE103En | 83Hz | 2.55g | 0.33 | 89dB | 193g |
FE107E(旧) | 80Hz | 2.6g | 0.38 | 90dB | 160g |
DCU-F121W(参考) | 72.4Hz | 5.05g | 0.514(Qts) | 86.5dB | 370g |
参考に、PARC Audioの10cmmフルレンジ・ユニット、DCU-F121Wのデータも載せました。フォステクスのユニットの a(実効振動半径)は、すべて4cmです。(旧)とあるのは、旧モデルです。取り付け穴の寸法は、(値段的にも別格の)FE108Eシグマだけは、少し大きくなります。
FF105WKは、8cmユニットと同様に、FEシリーズと比べてm0が大きく、f0が低い事が特徴的です。マグネットの大きさは、Σを除くFEシリーズよりはずっと大きく、強力な磁気回路を持つ事が分かります。一方、Q0は大きめになり、FE107Eに比べてもバスレフに使いやすい値になっています。面白いことに、FE103EnとDCU-F121Wの、ちょうど中間くらいの特性になっています。やはり、FEシリーズに比べると、小さめのバスレフ・ボックスに入れられる、使いやすいスペックのユニットのようです。FE103Enの推奨エンクロージャーが容量6.8L、fd=95Hzなのに対して、FF105WKの推奨エンクロージャーは容量6.4L、fd=72Hzとなっており、ポートのチューニングがかなり低くなっています。
周波数特性は、7KHzにかなり大きなピークがあるのが気になりますが、高域はよく伸びています。価格も手頃ですし、気軽に箱を作って試せそうなユニットです。