2012年12月11日火曜日

オーディオ自作ポータルの必要性

現在のオーディオの世界は、僕の目から見ると、かなり奇妙な状態に見えます。昔からの(自作に重心の近い)オーディオ雑誌、具体的には「MJ・無線と実験」と「ラジオ技術」は、読者、執筆者ともに高齢化が進み、若い人が読んでオーディオに夢を持つような雑誌ではなくなって来ているように思います。また、「ステレオ・サウンド」などの商業的な商品購入に重点を置いたオーディオ雑誌は、ますます「ハイエンド」指向を強めて、年齢が高めで経済的に余裕のある層にターゲットを絞った雑誌になっているようです。

一方、社会を大きく変えつつあるインターネット化は、旧来のオーディオの世界には、実は、あまり大きなインパクトを持っていないように感じられます。上記の雑誌の読者層、編集者層は、自然な成り行きとは思いますが、ネット上への移行を目指してはいないようです。もちろん、ネット上で積極的に自作・技術開発を公開している人たちは少なからずいるのですが、孤立している印象がありますし、ネットの始まりの熱気があった頃に比べると、下火になっているようにも感じられます。また、ネット上の「Audio Visual情報サイト」は、商業的・広告媒体的な傾向が強く、ある程度の科学性・客観性を求める(自作に近い、シリアスな)オーディオの世界とは、相容れないものを感じます(読者を広げ、広告で収入を得るためには止むを得ないとも思いますが、だからといって面白くなるわけではありません)。ネット上のオーディオ技術情報は、貧弱と言わざるを得ません。

思うこと、考えることは書ききれないほどあるのですが、とにかく、音楽が好きで、ものを作るのが好きで、自分の手をかけた装置で音楽を聴きたい、 という人のための情報を集めたサイトの必要性を、とても強く感じます。オーディオに興味の有る人を、自作オーディオに関わる様々な人々(特に、自作作品の情報)、会社(特にガレージメーカー)につなぐサイト、場合によっては交流を行える場が無い。頑張っている人たちはたくさん居るのに、それらをつなぐ場が無いのです。ここには、はっきりとした、"void"があります。「自然は真空を嫌う」というわけで、何かが為されなければいけない、と感じています。