しばらく前に、PARC AudioのDCU-F101Wという、ウッド・コーンの8cmユニットを使ったスピーカーを作りました。実は、最初に作ったのは、低域を欲張ったチューニングにした7Lほどのバスレフ箱だったのですが、今ひとつ気に入りませんでした。その後、「もう少しは良くなるはずだ」という事で、箱を一回り小さくしてQを上げ、PARC Audioの標準箱に近いポートのチューニングをして作り直したのが、下の写真の箱です。サイズは220x170x150mm(HDW)、ポートはφ25mm、長さ115mm、板厚は15mmです。内部に補強もあり、実効内容積は3L弱くらいと思います。計算上のfdは、64Hz前後です。
箱の素材はラワン合板です。丁寧に仕上げをしたところ、「やはり、ラワンもチークなどと同じ南洋材なんだ」と実感する仕上がりになりました。ここでは、2回、ヤスリがけとサンディング・シーラーの塗布を繰り返した後に、2回、ウレタン・ニスを塗って仕上げています。いわゆる赤ラワンの赤い色がきれいに出て、安い木材とは思えない仕上がりになりました。でも、「ラワン」というのは南洋材の総称で、同じ(赤)ラワンと言っても、様々なようです。DCU-F071Wの箱も同じように仕上げたのですが、色も黄色っぽく、ずいぶん違う感じになりました。外見上は、シナ合板の方がバラツキが少ない分、無難なのかも知れません。
音については、本当の所、最初はあまり気に入りませんでした。何となく詰まった感じがあり、あまり使っていませんでした。ところが、(ときどき鳴らしながら)半年くらいしたところで、「これは」という感じに鳴り始めました。箱が落ち着いて来たのか、長いエイジングが必要なユニットなのか分かりませんが、長い目で見る必要があるようです(現在は気に入って使っています)。自作のオーディオ機器は、何日か、あるいは数週間、聞いたくらいで決めつけてはいけないのかも知れません。