2010年4月24日土曜日

Spearker System with PARC Audio DCU-F101W

しばらく前に、PARC AudioのDCU-F101Wという、ウッド・コーンの8cmユニットを使ったスピーカーを作りました。実は、最初に作ったのは、低域を欲張ったチューニングにした7Lほどのバスレフ箱だったのですが、今ひとつ気に入りませんでした。その後、「もう少しは良くなるはずだ」という事で、箱を一回り小さくしてQを上げ、PARC Audioの標準箱に近いポートのチューニングをして作り直したのが、下の写真の箱です。サイズは220x170x150mm(HDW)、ポートはφ25mm、長さ115mm、板厚は15mmです。内部に補強もあり、実効内容積は3L弱くらいと思います。計算上のfdは、64Hz前後です。



箱の素材はラワン合板です。丁寧に仕上げをしたところ、「やはり、ラワンもチークなどと同じ南洋材なんだ」と実感する仕上がりになりました。ここでは、2回、ヤスリがけとサンディング・シーラーの塗布を繰り返した後に、2回、ウレタン・ニスを塗って仕上げています。いわゆる赤ラワンの赤い色がきれいに出て、安い木材とは思えない仕上がりになりました。でも、「ラワン」というのは南洋材の総称で、同じ(赤)ラワンと言っても、様々なようです。DCU-F071Wの箱も同じように仕上げたのですが、色も黄色っぽく、ずいぶん違う感じになりました。外見上は、シナ合板の方がバラツキが少ない分、無難なのかも知れません。

音については、本当の所、最初はあまり気に入りませんでした。何となく詰まった感じがあり、あまり使っていませんでした。ところが、(ときどき鳴らしながら)半年くらいしたところで、「これは」という感じに鳴り始めました。箱が落ち着いて来たのか、長いエイジングが必要なユニットなのか分かりませんが、長い目で見る必要があるようです(現在は気に入って使っています)。自作のオーディオ機器は、何日か、あるいは数週間、聞いたくらいで決めつけてはいけないのかも知れません。

Speaker System with PARC Audio DCU-F071W


PARC AudioDCU-F071Wという、わずか5cmのユニットを使ってスピーカーを作ってみました。設計は、フリーソフトのspedを使って、以下のようなものとしました。側面がだいたいB6の紙型と同じで、薄型の書棚に納まりやすいサイズです。指定箱よりやや大きめの容積で、ダクトの断面積も少し大きく、fdは高め、いくらか開放的な音作りを意図しています。ダクト長は、設計では90mmなのですが、製作時にうっかり10mm長くしてしまいました。ややfdは下がっているはずです。


以下のような板取で、300mmx910mm, t15mmのラワン合板から材料を切り出しました。カットは東急ハンズに依頼しました。


カットされた合板にバッフルの切り欠きなどの下加工をしました。片チャンネル分の材料は以下のようになります。ダクトは、塩化ビニールの給水用パイプ、VP25をカットして用いています。吸音材もPARC Audioのものです。


板厚のわりにサイズが小さいので、組み立ては簡単です。今回はネジ類は用いず、全て接着で、ハタガネなどを用いて固定し組み立てました。以下の写真は途中経過です。ダクトの出口が裏板に近づきすぎている気もします。吸音材の量については、PARC Audioの社長さんのブログにコメントがあるのですが、推奨している量が少ないので驚きました。ここでは、(少なめを意識して)50mmx50mmを一枚と、100mmx50mmを一枚入れています。


組み立てのあと、表面のヤスリがけ、サンディングシーラーとニスによる仕上げをして、ユニットを取り付けて完成です。


スピーカー端子は、円形パネルのものを用いました。


音については、あまり評価できる環境ではないのですが、意外なほどに普通なバランスで鳴っています。ユニットの大きさから、もっと高域の勝ったバランスかと予想していたのですが、そんな事はありません。本棚に入れて、バックグラウンドで音楽を鳴らしたりしていますが、やはり器楽曲やアコースティックな小編成の曲が似合うようです。しばらくエージングをしないと真価は分からないと思いますが、素直でよく鳴るユニットだという印象です。