もう、2年以上前に買ったParcAudioのDCU-F131Pについては以前にも書きましたが、さすがに音を聴いてみたいと思い、深く考えず、割と標準的なバスレフ箱を作って鳴らしてみました。外形は320mmx200mmx230mm(HWD)、容積は9L程度で、ParcAudioの13cmフルレンジ用の標準箱よりは小さいのですが、13cm用としては普通の大きさと思います。
ユニットはバッフルの中央に付けたスタイルで、バスレフ・ポートは背面です。ダクトは、フォステクスのP49という、内径49mm、長さ110mmのものを用いました。計算上のfdは約60Hzです。ターミナルは、埋込み型・丸形のものです。全体に、外見と手軽さ優先の構成です。
箱の素材はシナ合板で、東急ハンズで、厚さ15mm、910mmx910mmの板からカットしてもらいました。板取は、以下のようにシンプルなものです。
仕上げは、オーク色のポアステインに水性ウレタンニスです。ユニットの取り付けはビスと鬼目ナット、内側の角には三角柱をカットしたもので補強してありますが、他に補強はしてありません。
iPhoneのアプリ、AudioToolsのReal Time Analyzerで簡単に測定したのが下のグラフです。低域は63Hzまではしっかりと出ていて、その下の40~50Hzは急降下ですが、いくらかは出ているようです。高域もしっかり伸びています。(16kHzのピークはマイクの特性のようです。)物理特性には問題ないようです。
このスピーカーは、2012年の12月から2013年の1月にかけて作ったのですが、実は、音出しをした当初は、いささか失望しました。もちろん、始めからいい音がするとは思っていなかったのですが、数日鳴らしても、中高域は何となく付帯音のようなものが感じられ、低音はスカスカの感じでした。最初は用いていなかったガスケットを取り付け、吸音材を増やしても、中高域はすっきりとしません。低域は、バスレフのチューニングを変えようとしても、「バスレフポートは、本当に効いているのか?取り付け位置がまずかったのか?」という感じでした。鳴らしていても、どうにも楽しくないので、一週間くらいで接続を外して放置してありました。
二月ほど放置してから、思いついて鳴らしてみたら、何故か、今度はすっきりとした音が出てきて驚きました。通電していた訳ではないので、ユニットのエージングではなくて、箱が落ち着いてきた、ということの様です。箱は、今でもやや鳴いているようで、もう少し強度のある素材を使うべきかとも感じていますが、とりあえず、楽しく音楽の聴けるスピーカーになりました。
音の印象は、(金属ドーム・ツイーターのような)解像度指向、繊細さ優先ではなく、どちらかと言えばマイルドだとは思うのですが、すっきりした音で、いわゆる、音離れのいいタイプと思います。ピアノなどを聴くと、「音に芯がある」という印象があります。高域に量感がある、と言うのでしょうか、軽くてしっかりしたパルプ・コーンの個性なのかも知れません。
何はともあれ、8cm級のスピーカーよりはずっと余裕があり、音楽を安心して楽しめるスピーカーと感じます。もっと良い素材、例えば、バーチ材を使うともう少し良くなるかな、という印象もあり、機会があれば再挑戦してみたいと思っています。
2013年3月29日金曜日
2013年3月25日月曜日
フィンランドバーチでスーパースワン(板取)
長岡鉄男氏設計のバックロードホーン、スーパースワンは現在でも評価が高く、「オーディオが好きなら一度はスーパースワンを」という人も少なくないようです。私も製作を考えており、フォステクスの限定ユニット(FE103En-S)も確保してあるのですが、素材を何にするかが悩ましいところです。シナ(ラワン)合板は、最近は品質が低いと言われており、自分の経験でも、びっくりするほど軽量なことがしばしばあります(軽量なこと自体は扱いやすくていいのですが、強度や音響的には不利でしょう)。シナ合板に変わる素材としては、MDF、シナアピトン、バーチ(白樺)合板などがあります。個人的には、MDFは(外見が)好きではなく、また音質的にも無難すぎるイメージがあるので、入手性が良くなってきたバーチを考えています。
バーチ合板は音響的には評判も良く、外見もプライ数の多い木口が美しくてよいのですが、合板で一般的な3尺6尺(910x1820)ではなく、4尺8尺(1220x2440)で供給されています。スーパースワンの板取は、三六合板の2枚半から取るのがオリジナルの設計です。ちょっと考えてみると、四八合板では、一枚半で余裕を持って、無理なく取れるようです。そこで、(注文できるような形に)製図をしてみました。
やや不要部が多いようにも見えますが、サイズを揃えるべき部分も考慮して板取を考えています。バーチ材は、かなり硬質で、やや重量もあって扱いにくそうな感じもあるのですが、外見を含めて魅力的ではあります。
バーチ合板は音響的には評判も良く、外見もプライ数の多い木口が美しくてよいのですが、合板で一般的な3尺6尺(910x1820)ではなく、4尺8尺(1220x2440)で供給されています。スーパースワンの板取は、三六合板の2枚半から取るのがオリジナルの設計です。ちょっと考えてみると、四八合板では、一枚半で余裕を持って、無理なく取れるようです。そこで、(注文できるような形に)製図をしてみました。
やや不要部が多いようにも見えますが、サイズを揃えるべき部分も考慮して板取を考えています。バーチ材は、かなり硬質で、やや重量もあって扱いにくそうな感じもあるのですが、外見を含めて魅力的ではあります。
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