中国製の安いアンプを買ってみました。センチュリーの運営する白箱.comというサイトで扱っているTopping(拓品電子 TPDZ.net)というメーカーのもので、型番はTP10-Mark4となっています。送料込みで4980円という、オーディオ製品とは思えない価格です。TripathのTA2024というPWM方式のチップを使っていて、いわゆるデジタルアンプですが、入力はアナログです。スピーカーが増えて来たので、ちょっとスピーカーを鳴らすのに便利な小型アンプが欲しい、というのが購入目的のひとつです。出力は4Ωで15W×2となっていて、フルレンジなら十分鳴らせそうです。
こんな箱で送られてきます。驚いた事に、取扱説明書はありません。保証書らしきものは、販売店の領収書のみです。
箱を開けると、入っているのはACアダプターと本体だけです。ACアダプターにもToppingの名前が入っています。12V3Aで、36W級という事になります(白箱.comの説明では、12V2Aとなっていましたが)。一般的な形状のプラグなので、もっと大容量のものに交換する事も出来そうです。本体は、こんな感じです。フロントパネルも厚く、とても小さいのですが、けっこう見栄えがします。
出力端子は陸式ターミナルなのですが、かなり小型なので、裸線を接続するのは、ややためらいます。バナナプラグを使うのが無難そうです。電源スイッチはリアパネルにあります。
「お約束」で、音を出す前に分解してみます。(どうせ、保障もなさそうですし、「ケースを開けると保障が切れる」という、お決まりの注意書きも見当たりません。)分解に必要な工具は、T10のトルクス・ドライバーと、10mmの(ボリューム)ボックスレンチです。最初に、ボリュームのノブを引き抜いて、ボリュームをフロントパネルに固定しているナットを外します。
リアパネルのトルクスのビスを4本外せば、基板ごと引き抜けます。
心臓部は、Tripath TA2024ですが、放熱器は付いていません。すぐ脇に見える電源の電解コンデンサーはニチコンのもので、Museのようです。また、ラジアルリードの抵抗器が並んでおり、Daleの名前も見る事が出来ます(ラジアルリードの抵抗器にメーカー名が入っているのも珍しいし、ちょっとわざとらしい気もしますが)。キャパシターの容量をもっと大きくした方がいいかな、とか、ボリュームはもう少し良いものを使いたい、とか思わないでもありませんが、全体に、しっかりした部品を使っているように見えます。ボリュームは、一般品ですが、宣伝文句通りにアルプスのもののようです。ボリュームのカバーは、手半田でアースが取られています。上の写真でボリュームの左に見える白に赤のストライプのワイヤーがそれです。
出力部のリレーは、Songleという名前がついています(中国のリレーの専業メーカーらしいです)。インダクターのメーカーは良く分かりませんが、見慣れた部品のような気もします。フィルム・キャパシターは多数用いられていますが、大型のキャパシター(入力キャパシター?)にはEVOXの名前が見えます。EVOX RIFAのもののようです。
組み立ては、まぁまぁ、きれいです。基板の裏を見ると、ワイヤーのハンダ付け部分にヤニが飛んでいたりして、「こんな物かな」という感じではありますが、我慢できるレベルです。
音については良く分かりませんが、とりあえず普通に鳴っています。とても小さいので、いろいろ持ち運んだりして、便利に使えそうです。