ユニット名 | f0 | m0 | Q0 | 音圧レベル | マグネット重量 |
FF125WK | 67Hz | 5.0g | 0.42 | 89dB | 388g |
FF125K(旧) | 70Hz | 4.0g | 0.25 | 92dB | 420g |
FE126En | 83Hz | 2.8g | 0.3 | 93dB | 440g |
FE127E(旧) | 70Hz | 2.9g | 0.43 | 91dB | 160g |
FX120 | 65Hz | 5.3g | 0.46 | 89dB | 330g |
F120A | 65Hz | 4.7g | 0.45 | 89dB | 211g(アルニコ) |
DCU-F131PP(参考) | 62.33Hz | 5.693g | 0.444(Qts) | 90dB | 400g |
DCU-F131W(参考) | 48.6Hz | 7.487g | 0.545(Qts) | 87dB | 400g |
参考に、PARC Audioの13センチ・フルレンジユニット2機種のデータも載せました。フォステクスの12センチ・ユニットの a(実効振動半径)は、すべて4.6cmです。(旧)とあるのは、旧モデルです。取り付け穴の寸法は、だいたい全部同じです。
こう比べてみると、FF125WKと、FX120、F120Aの類似性が明確に分かります。FF125WKは、やや磁気回路が強力で、Q0が低めな感じですが、違いは10%程度ですから、個体差の範囲でしょう。 もともと、FX120とF120Aは、磁気回路の素材(フェライトとアルニコ)を除けば殆ど同じスペックで、同じボックスで共用できる感じでしたが、もうひとつボックスが共用できるユニットが増えた感があります。もっとも、価格的には、FF125WKに比べてFX120は約2倍、F120Aはさらに2倍、と大きく違います。高域特性などを見ると、「普及ユニット」と「高級ユニット」の違いがあるのかな、という印象も受けますが、実際には聴いてみて、好みで決まるレベルかも知れません。F120Aはアルニコ・マグネットという事で、別格の感じがあります。
これらと比べると、FF125K(旧)とFE126Enは、よく似た性格のオーバーダンピング・ユニットです。FF125Kの方が振動系が重くf0も低いのですが、Q0はむしろ低くなっており、ハイ上がりで、どう考えても、どちらもバックロード向きのユニットです(バスレフ向きではありません)。FE126Eが出て、FF125Kの存在理由が無くなって、こういう形のモデルチェンジになったのかな、という印象もあります。
FE127Eは、軽い振動系に弱めの磁気回路の組み合わせで、Q0も手頃で、(よく知られているように)むしろバスレフ向きです。しかし、上の三つのユニットの、強力な磁気回路に重めの振動系、低いf0とは対照的な性格で、大きめのボックスが必要なユニットでしょう。なぜFE127Eがカタログから無くなったのか、という気もしますが、コイズミ無線で、オリジナルの形で後継機(FE127E2)を販売しているようです。
PARC Audioのユニットと比べてみると、DCU-F131PPとFF125WK(したがってFX120、F120A)はよく似た特性のユニットです。一方、DCU-F131Wは振動系が重く、f0もはるかに低く、まるでウーファーのようなユニットです。
推奨エンクロージャーに関しては、以前のフォステクスの(12cmユニット共通の)推奨エンクロージャーは容量9L、fd=74Hzだったのに対し、FF125WKの推奨エンクロージャーは容量は同じくらいで、ポートはfd=57Hzと低いチューニングになっています。共通エンクロージャーは、FEシリーズに合わせてあったのかもしれません。
こう見てみると、FX120の存在理由が希薄になっている感じがします。FF125WKは、FX120を置き換えるユニットになるのかも知れません。